ペットを亡くした後の喪失感「ペットロス」とは
私たちの人生で最も辛い瞬間はいつでしょうか?それはきっと、家族や友人の「死」だと思います。家族でもあり、友人でもあるペットの死は、言葉では言い表せないほど辛いできごとです。
あまりの辛さに飼い主によっては、うつ病や精神疾患など、心の病にかかってしまうこともあるとのこと。また、最悪のケースでは、心臓病にまで発展することもあるそうです。
このようにペットを亡くしたことで、飼い主の精神や身体へ何かしらの影響を与えることを「ペットロス」、または「ペットロス症候群」と言います。
では、この「ペットロス」や「ペットロス症候群」は、具体的に私たちにどんな影響や症状が与えるのでしょうか。詳しくご紹介していきたいと思います。
「ペットロス」の特徴や症状
まず、「ペットロス」と「ペットロス症候群」の違いから紹介します。
「ペットロス」は飼い主がペットを亡くした際に感じる悲しみを指します。精神的、あるいは身体的に病を患う症状に限定されるわけではありません。つまり、「ペットロス」になることは決して珍しいことではないですし、ペットと長い時間を共にした飼い主なら非常に高い確率で経験することになります。
一方、「ペットロス症候群」は、「ペットロス」による悲しみが引き金となって、精神や身体を病んでしまう症状を表しています。主にうつ病などの精神疾患、場合によっては心臓病を発症する可能性もあります。
「ペットロス」が生まれた背景
「ペットロス」や「ペットロス症候群」を初めて聞いたという方も少なくないと思います。
なぜなら、どちらも最近よく耳にするようになった言葉だからです。「ペットロス」や「ペットロス症候群」が生まれた理由には、時代の変化や背景が影響しています。
ペットの価値の変化
はるか昔は、耕作や交通手段、防犯目的として飼われた動物(ペット)たち。時代を超えて、今では家族同然として扱われるようになっています。
犬だと、少し前は室外で飼われることが多かったのに、今では家族と同じ屋根の下で暮らすようになっています。
より家族と近い存在になったペットたち。結果、ペットが亡くなった時に悲しみも大きくなり、「ペットロス」や「ペットロス症候群」という言葉が誕生した理由のひとつとなっています。
獣医療や食事の発展
ペットが家族と同じ存在になった結果、健康と命を支える獣医療も目まぐるしい発展を遂げました。その結果、ペットたちの寿命は右肩上がりに伸びています。
ペットの寿命が長くなれば、それだけ一緒にいられる時間も増えます。よって、ペットが亡くなった時の悲しみが以前に比べてより大きなものになっていることでしょう。
ペットたちの寿命の変化が「ペットロス」に関係
近年、「ペットロス」と「ペットロス症候群」がよく耳にされるようになった背景には、ペットの寿命増加が大きな背景があることがわかりました。
では、具体的にペットたちの寿命はどれだけ伸びたのでしょうか?最もペットとして飼われることの多い、犬や猫に注目してみましょう。
寿命が伸びたのは人間だけじゃなかった
現在、犬の平均寿命は約14歳、猫の平均寿命は約15歳です。実は、この30年でどちらも寿命が2倍以上も伸びたといわれています。寿命が大きく伸びた理由は複数あります。
まず、ペットの室内飼いが増えたことです。その結果、ペットたちが事故やケンカなどで亡くなることが減りました。
また、ペットフードの品質がアップされたことも背景にあります。これはペットフードが病気の予防にもつながったため、健康が維持されるようになったからです。
加えて、先ほど紹介したように獣医療の発展で、薬や治療方法の進化もペットたちの寿命に大きな影響を与えることになりました。
ペットへの愛情が「ペットロス」に大きく影響
時代が進むにつれて、飼い主にとってペットは家族であり、友人とも呼べるかけがえない存在となりました。
今では同じ屋根の下で共に生活を送り、健康的な食事と上質な獣医療によって一緒にいられる時間はどの時代よりも長いものになっています。
同時にペットが亡くなった際の辛さもより大きなものになりました。その結果、飼い主の心は強い悲しみに覆われる「ペットロス」をはじめ、場合によってはうつ病などの精神疾患や最悪のケースだと心臓病にまで発展する「ペットロス症候群」が誕生するようになっています。
このような事態を招かないためにも「ペットロス」や「ペットロス症候群」の対策としては、信用できる家族や友人に自分のペットを失った気持ちを打ち明けたり新しいペットを迎え入れることが心のケアにつながると言われています。
また、ペットが亡くなった際、きちんとお別れをすることで気持ちの整理をつけることも大切です。自分の気持ちを誤魔化さず、周囲の家族、友人、そしてペット葬儀社の力を借りて大切なペットに「さよなら」を言える準備に備えましょう。