秋も深まり、いよいよ冬目前。冬物に衣替えしている最中でしょうか。人間と同じように、猫にとっ てもこの時期は衣替えの季節です。猫は寒さに弱いイメージがありますが、気温が下がることで 様々な変化が起こります。
猫に起こる変化とは?
■換毛期に毛が変わる
この時期は夏の毛から冬毛に生え変わる換毛期です。猫は日常的に全身の毛をなめてグルーミ ングを行い、少量の毛であれば飲み込んでそのまま便として排出されますが、換毛期に大量の 毛をグルーミングすると毛玉を嘔吐してしまうことも。短毛種であってもこまめなブラッシングがお すすめです。
■食欲が増す
なんと、食欲の秋はどうやら猫の世界にもあるようです。
本格的な冬が始まる前に栄養を蓄えるという説 にもあるように、過ごしやすい気候になって夏よりも食欲旺盛になったというケースも少なくありま せん。太り過ぎに注意しながら食事やおやつを調整しましょう。
■お気に入りの場所が変わる
猫は体温調節が苦手な動物だといわれています。そのため、暑い季節は涼しくて風通しのよい 場所を、寒い季節は暖かい場所を好みます。真冬にストーブの前を陣取っているのも納得です。
注意したい変化
秋に入ってから起こる様々な体の不調を総じて秋バテとよびます。
一般的には、食欲不振、下 痢・嘔吐、元気がないなどの症状が挙げられますが、医療機関を受診しなくてもゆっくり療養すれ ば回復します。
ただし、子猫や高齢猫、持病のある猫は症状が長引いたり悪化したりする可能性 もあるため、病院を受診すると安心です。
秋バテの予防方法
・温度湿度の管理
秋は1日の気温差が大きく、朝と昼で10°C以上差が出る日もあるほどです。体温調節が苦手な 猫は体調を崩してしまうこともあるかもしれません。そのため、気温差をできるだけ小さくすること が大切です。室内では好きなタイミングで使えるように毛布を出しておくなどで対策しましょう。
・水分の摂取
もともと猫は水をあまり飲まないため、腎臓疾患にかかりやすいといわれています。
気温が下が ることで、いつも以上に水を飲まなくなってしまい、脱水症状をはじめ体調不良に繋がりやすくな ります。水飲み場を室内に複数用意する、冷水ではなくぬるま湯にするなど工夫するとよいでしょ う。
・食事量の調整
涼しくなって食欲が増すタイプと、動かなくなり食欲も減ってしまうタイプがいます。食欲旺盛なの は基本的によいことなので、太りすぎない程度に食べさせましょう。
食欲が減った場合、食べやすいウェットタイプのご飯に変えてみる、小分けにしたり、おやつで1 日に食べる量を調節してみるとよいでしょう。それでも食欲不振が続くようなら別の病気が隠れて いる可能性もあるので病院を受診してみてください。
猫風邪
気温が低下して抵抗力が落ちるこの季節は猫風邪にも注意が必要です。
猫のウイルス感染症 の通称で、主な症状には鼻水、くしゃみ、目やになどが挙げられます。猫から人に感染するケー スは現在報告されていませんが、多頭飼育をしている場合は猫同士で感染する可能性がとても 高いです。
初期症状が見られた時点ですぐに動物病院を受診するようにしてください。
まとめ
秋には様々な変化が猫に起こります。基本的にはゆっくり休んで自然回復することがほとんどで すが、中には注意したい症状もあるので日常的にコミュニケーションをとったり、じっくり観察して 小さな変化を見逃さないようにすることが大切です。この時期から体調に気を使い、寒い冬も元 気に乗り越えましょう。