じめじめした梅雨の5月〜6月と猛暑が続く7月〜9月の時期は食中毒が多く発生します。
食中毒は人間だけでなく、犬や猫にもなる可能性があることはご存知でしたか?動物は体が丈夫なイメージがありますが、放置して重症化すると命の危険もある怖い病気なのです。
この記事ではペットが食中毒になる原因からその症状、対処法と予防策まで紹介します。正しい知識を身に着けて大切なペットを食中毒から守りましょう。
食中毒とは?
食中毒とは細菌やウイルス、有毒物質の付着した食べ物や水を摂取することで腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が出る病気のことです。
食中毒の原因物質によって発症するまでの時間や症状自体には差があります。多くの雑菌は30度〜40度の気温と湿度で増殖するため、高温多湿な日本の夏は要注意です。
ペットの食中毒の原因は?
1傷んだ食べ物を食べる
カビの生えた食べ物や雑菌の繁殖した食べ物が原因となるパターンです。大袋で販売されることが多いドライフードは1度開封したらその瞬間から酸化がはじまり、空気中の湿気だけでなく雑菌も一緒に吸い込んでしまいます。
数日分を小分けにして密閉容器で保存し、高温多湿を避けた暗所で保管するのがおすすめです。
2自然毒を食べる
毒キノコ、殺虫剤など元々毒性を持っているものを飲み込んでしまう場合です。
好奇心旺盛な性格だと散歩中に色々食べてしまうこともありますが、毒のある植物の可能性もあるので十分にしつけておくことが大切です。
また、殺虫剤などの化学物質を誤飲しないようにペットの導線上には危険なものを置かないことを徹底しましょう。
3ペットにとっての有毒物を食べる
人間にとって無害でもペットにとっては有毒な食べ物があります。犬にとってはネギ類、チョコレート(カフェイン含有)、アルコール、ぶどう、キシリトールなどが挙げられます。
家で与えないのはもちろんのこと、散歩中や外出時に知識のない他人からエサをもらったり、拾い食いをしないよう日頃から注意しましょう。
食中毒の症状
1細菌や病原菌に汚染された食べ物経由の場合
メジャーな症状として腹痛、下痢、嘔吐が挙げられます。これらの症状は体内の病原菌を排出しようとするため自然な現象です。ただし、長期間症状が続く場合は脱水の危険があるので清潔な水を与えて獣医に見せるのが安心です。
2自然毒経由の場合
毒キノコは下痢や嘔吐に加えて目眩、痙攣などの症状を引き起こし、じゃがいもの芽に含まれるソラニンは最悪の場合呼吸困難を引き起こすこともあるなど症状は様々です。
早めに獣医にかかり「何を」「いつ頃」「どれくらい口に入れたか」を伝えましょう。
3ペットにとっての有毒物経由の場合
ネギ類に含まれる有機チオ硫酸化合物は重症化すると黄疸、貧血、血尿を引き起こします。症状が出やすい時期が半日後くらいというのが特徴的です。
また、原因物質は不明ですが、ぶどうやぶどう加工品には急性腎不全を引き起こす可能性があります。口に入れてから5〜6時間後くらいに元気消失や多飲多尿などの症状が出ます。異変を感じたらすぐに獣医を受診してください。
食中毒の対策と予防法
フードの保管と管理の徹底
ドライフード、ウェットフード共に清潔状態を保つことが重要です。直射日光と高温多湿を避け、涼しい暗所で保管します。フードの開封後はしっかり封をし、賞味期限内に使い切りましょう。1食分ずつ小袋にわけられているものが衛生的で安心です。
食べ残し、飲み残しを放置しない
一度口をつけたフードや水には唾液や抜け毛がついて細菌の繁殖が早まります。長時間出しっぱなしにせずに片付け、水はこまめに交換したものを用意しましょう。
手作りフードには細心の注意を
手作りのフードを与える場合は清潔な手指と調理器具を用いて、加熱した食材を使用しましょう。人間の食べ物はねだられても与えてはいけません。
まとめ
もともと野生の世界で生活していた犬は体も丈夫なイメージがありますし、実際に胃酸の強度は人間よりも強いといわれています。
しかし人間と暮らす生活に慣れているペットは、傷んだ食べ物や毒物で食中毒になってしまう危険があることを覚えておいてください。
ペットの食中毒は飼い主の責任です。重症化すると命に関わる怖い病気ですが、飼い主がしっかりしつけし、管理することで予防できます。
大切なペットが元気で長生きできるよう食中毒の予防と対策をしていきましょう。