ペットとの暮らしは、飼い主にとって癒しや幸せを与えてくれるものです。
しかし、ペットの健康管理を怠ると、長く一緒に過ごすことができなくなってしまうこともあります。そこで、日頃からのケアや定期的なペットの健康診断を受けることが重要となります。
今回は、ペットの健康管理について、具体的に何に気をつけるべきかや健康診断について解説します。
日常ケア ①ブラッシング編
毛並みのブラッシングは見栄えを整えるだけでなく、ノミやダニを取り除き体を清潔に保つ役割もあります。また、皮膚を優しく刺激することで血行を促進しマッサージ効果を得ることでストレスの解消や皮膚トラブルの予防にも効果的です。
毎日のブラッシングが理想的ですが、中々時間が取れないという方は週3日〜4日を目処に行うよう心がけてください。
日常ケア ②歯磨き編
人間同様、犬や猫にも歯磨きが必要です。数日歯磨きをしないだけで歯垢が溜まり出し、口内の細菌と合わさることで歯石になりやがて歯周病に発展してしまいます。
歯周病が進行すると口臭や歯の痛みなどの症状から、重症化すると鼻腔炎やあごの骨の骨折、内臓疾患まで全身にダメージが広がってしまいます。そうならないためにも口腔内の清潔を保つ歯磨きはとても重要なのです。
頻度としてはもちろん毎日行うことが理想ですが、いきなりブラシで磨くと嫌がってしまう可能性があるため段階を踏んで慣らしていきましょう。まずは口元を触る、指に歯磨きペーストをつけて磨く、歯ブラシで前歯から順番に磨くというようにステップを踏み、コミュニケーションのひとつとして覚えてもらうことでストレスなく楽しめるようになってくれるはずです。
最近は舐めるだけでケアできるペーストや水に混ぜて飲んでもらう液体タイプの歯磨きなど、様々な種類の歯磨きグッズが発売されているので、慣れるまでの間に使ってみるのもよいかもしれません。
ペット健康診断を受診するメリットは?何歳から受けるべき?
健康診断を受けることで、病気やケガの早期発見・早期治療が可能になり、ペットの健康状態を維持することができます。
体に痛みや違和感があっても人間のように話せないペットに対して、非常に有効といえるでしょう。
ただあまり小さな頃から健康診断を受けるとかえってストレスになってしまう可能性もあるため、目安としては生後6ヶ月頃から少ない項目で受診し始めるのがおすすめです。
健康診断にかかる費用は?ペット保険は適用される?
病院ごとに異なりますが、血液検査とレントゲン検査のセットで1万円〜1万5千円程度が中央値のようです。
ペット保険に加入していても健康診断への適応は対象外の場合がほとんどですので、かかりつけの病院で検査項目と費用は事前に確認しておくとよいでしょう。
健康診断の主な項目
1. 問診、触診
食事の量や様子、排泄の状態、運動量などを獣医から聞かれます。気になることがあれば問診時に質問できるよう具体的な様子と共に伝えられるよう準備しておきましょう。
2. 血液検査
前脚にある静脈から採血します。一般的に血液一般検査と血液化学検査の2種類があり、肝臓や腎臓の機能から副腎などのホルモン検査まで様々に対応しています。すべての項目を網羅しようとすると費用もかかってくるため、月齢や気になる症状に合わせて項目を選んでいきましょう。
3. 尿、便検査
尿検査では尿路結石や細菌の有無、腎臓機能を調べることができます。特に猫は尿路結石症や腎不全にかかりやすく、重症化すると命にも関わってくるため定期的に受診することがおすすめです。また、便検査では消化器官の状態や寄生虫の有無を調べることができます。普段からお腹がゆるい、フードをよく吐き戻すなどの症状がある際は重点的に診てもらいましょう。
4. レントゲン検査
体内の状態をX線で撮影する検査です。主に内臓に異常がないかの判定に使用されますが、若い月齢であれば先天的な骨格異常の有無を調べたり、中〜高齢であれば関節の炎症や脊椎の状態、肺炎の早期発見などにも役立ちます。
5. 超音波検査
レントゲン検査よりもさらに詳しく内蔵の状態や動きを見ることができます。高齢の場合や他の検査で異常が出た場合に追加で検査することが多いです。
6. MRI検査
レントゲン検査では見ることのできない骨の中や脳を調べることができます。健康診断の項目には含まれていないことの方が多く、検査できる病院自体も少ないです。
まとめ
ペットと長く一緒に過ごすためには健康管理が欠かせません。人間と同様に、医療機関で定期的な健康診断を受けることで健康状態を把握し、早期発見・早期治療に役立てることができます。
何よりも大切なのは日頃からの観察や適切な食事、運動管理です。小さな変化を見逃さないようにペットとのコミュニケーションに気を使い、楽しい時間をすごしてくださいね。