9月1日は防災の日です。この日に避難用リュックの中身を交換したり、避難所までのルートを確認したりする方は多いかもしれません。
ペットを飼っている方も準備は整っていますか?ペットと一緒に暮らしている方は、より一層日頃からの備えが大切ですが、「ペットのためにどんなものを
用意したらいいの?」「ペットと一緒に避難できる?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事ではペットと一緒に暮らす飼い主が、日常的に行うべき対策から必要なもの、災害時にとるべき行動までを詳しくまとめました。
いざという時に慌てないためにもぜひ参考にしてみてください。
平常時に飼い主が行うべき対策とは?
1住居の防災チェック
大型家具の固定、ケージの転倒防止、落下防止などで住居内の防災をしましょう。ペットの防災の大前提は飼い主が無事でいることです。できる限り耐震、耐火性能の高い住居を選び、身の安全を最優先してください。
2しつけ、社会性を身につける
「待て」「おすわり」「よし」などの基本的なしつけは必ず完了し、ケージに慣れさせておきましょう。
避難する際にパニックになって飛び出して怪我をしたり、迷子になってしまうのを防ぐことができます。
また、避難所生活になった場合は大勢の人や初対面のペットと共同生活を送らなければなりません。動物が苦手な方も当然いますので、他人や他の動物を怖がって吠えたり攻撃しないよう日頃から慣らし、社会性を身につけることが大切です。
3健康管理
狂犬病予防接種に加え、各種ワクチン、ノミ・ダニなどの寄生虫予防と駆除を済ませておきましょう。
災害時にペットを一時的に預けることができるペット用シェルターの利用も、ワクチン接種や寄生虫駆除の完了が条件である可能性が高いためです。
また、災害時に限らず怪我や病気予防のためにもシャンプー・トリミングで身体を清潔に保つことを心がけましょう。
4迷子防止
災害時、いつもと違う状況にパニックになり逃げ出して迷子になってしまうというケースは少なくありません。
首輪と迷子札、鑑札と狂犬病予防注射済証、マイクロチップの挿入で対策をしましょう。(マイクロチップを挿入した際は日本獣医師会などに飼い主情報と動物情報の登録が必要です)
マイクロチップが入っていれば、万が一迷子になっても飼い主の元へ帰ることができる可能性が高いです。
5ペット用の避難グッズと備蓄品の準備
過去の事例でペット用の救援物資を運ぶ車両は緊急車両と認められず到着が遅れたというケースがあります。そのため絶対必要になるフードと水は最低5日分、可能なら7日分用意しておくことが推奨されます。
薬を飲んでいる場合は多めに準備しておくと安心でしょう。以下の避難グッズリストを参考に、ご自身にあったアイテムを準備し、定期的に賞味期限、使用期限の確認を行いましょう。
- ペットフード、水(最低5日分)
- 食器
- 薬
- キャリーバッグやケージ
- ペットシーツ、トイレ関連用具
- タオル、ブラシ、ウェットティッシュ
- ビニール袋
- お気に入りのおもちゃなど匂いのついたもの
6避難所の確認と避難訓練への参加
いざという時に慌てず避難ができるように、避難所の場所と家からの経路、所要時間、ペット同伴で避難ができるのかどうかをチェックしておきましょう。
避難所ごとにペットを連れて行く際のルールがあるので、予め自治体に問い合わせておくとより安心です。
地域で避難訓練を行う際は実際にペットを連れてシミュレーションを行うとよいでしょう。その際は避難所までの所要時間、看板落下の可能性があるなど危険なエリアの把握、迂回ルートなどを中心に確認します。
災害発生時に飼い主が取るべき行動とは?
1ペットと同行避難
避難をする際、飼い主はペットと共に避難する同行避難が原則です。ただし、「避難所にペットと一緒に入れるか」や「同室で飼養できるか」というのは各避難所ごとに異なるため注意が必要です。必ず事前に確認しましょう。
避難の際はリードをつけ首輪が緩んでいないか鑑札がきちんとついているかを確認し、小型犬や猫はキャリーやケージに入れます。
2避難中の環境作り
ペット同伴可能な避難所の場合、各避難所の定めたルールに従い責任をもって飼養します。やむなく車中で避難生活を送る場合は車内の温度に十分注意し、脱水やエコノミー症候群にならないよう気をつけましょう。
3預け先の確保
避難生活が長引く場合に備えて一時的な預け先を予め決めておくことが大切です。
仮設住宅ではペットを飼えないというケースもあるためです。ペット用シェルターや違う地域に住む親戚、友人などいくつか候補を出しておきましょう。その際、ペット用シェルターは予防接種や寄生虫駆除の完了を条件としていることがあるので早めに完了しておきましょう。
まとめ
日本は災害大国といえど、被災経験や避難生活は誰もが慣れないものです。動揺し、不安になって当然。しかし、大切なペットを守ることができるのも飼い主のみです。不安や動揺はペットにも伝わってしまいます。
大変な状況でも、ペットを安心させるためにはできるだけ普段通りに接し、生活環境を整えてあげることが大事です。いざという時に冷静に対処できるかどうかは日頃どれだけ準備したかで大きく変わるでしょう。
防災の日をきっかけに、大切なペットと自身の命を守るために今できることを見直してみてはいかがでしょうか。